[Published online Journal of Computer Chemistry, Japan Vol.18, 194-197, by J-STAGE]
<Title:> GaussianとGAMESSが内蔵している基底関数の違い
<Author(s):> 竹内 宗孝, 吉田 真史, 長嶋 雲兵
<Corresponding author E-Mill:> myoshida(at)tcu.ac.jp
<Abstract:> 非経験的分子軌道法の計算コードであるGaussianとGAMESSはSTO-3G等の基底の名称を指定するだけで使用できるが,同一名称の基底であっても同一のパラメータセットではない場合は,両者の答えに違いが生じる.本稿では2つのプログラムを使って研究を行っているユーザに注意を喚起するために,第三周期元素の水素化物(NaH,MgH2,AlH3,SiH4,PH3,H2S,HCl) についてSTO-3Gを用いた計算をGaussianとGAMESSとで実行し計算結果を比較した.その結果,HClを除き全エネルギーとHOMOのエネルギーはGaussianよりGAMESSのほうが低くなった.これは第三周期元素の原子基底の3s軌道と3p軌道の空間的広がりの違いに起因する.またMulliken電荷は,GaussianよりGAMESSのほうが小さくなった.いくつかの別のプログラムを使用するとき,入力データが利用者が意図した電子状態を記述できうるかを吟味することは大切なことである.
<Keywords:> basis set, Gaussian, GAMESS, STO-3G, total energy, HOMO energy, Mulliken charge
<URL:> https://www.jstage.jst.go.jp/article/jccj/18/4/18_2019-0007/_article/-char/ja/