系列二分決定グラフを用いたタンパク質配列モチーフの多重表現 [Published online J. Comput. Chem. Jpn., 19, 8-17, by J-STAGE]

[Published online Journal of Computer Chemistry, Japan Vol.19, 8-17, by J-STAGE]
<Title:> 系列二分決定グラフを用いたタンパク質配列モチーフの多重表現
<Author(s):> 大和 康平, 加藤 博明, 桂樹 哲雄, 高橋 由雅
<Corresponding author E-Mill:> kato(at)hiroshima-cmt.ac.jp
<Abstract:> 本稿では,系列二分決定グラフ(SeqBDD)を用いたタンパク質配列モチーフの多重表現とそのモチーフ検索への応用について述べる.SeqBDDは,複数の文字列のような配列集合の圧縮表現である.本研究では,SeqBDDのための二つのアルゴリズムを開発した.一つ目は,対応するモチーフのアミノ酸配列を表現するSeqBDDを構築するためのもので,二つ目は状態遷移を追加することにより,SeqBDDのための決定性有限オートマトン(DFA)に相当するオートマトンを構築するためのものである.性能評価のために,マトリクスメタロプロテアーゼ(MMP)ファミリーにおいて保存されている三つのドメインを,UniProtKB/Swiss-Prot (Rel. 2017_09)から得られた555,594の全てのアミノ酸配列に対して検索した.PROSITEパターンを使用した同様の検索結果と比較して,本手法は,適合率,再現率,およびF値において良好な結果を示した.
<Keywords:> sequence binary decision diagram, Aho-Corasick algorithm, multiple representation, sequence motif, motif search
<URL:> https://www.jstage.jst.go.jp/article/jccj/19/1/19_2019-0028/_article/-char/ja/

カルサイト・ハイドロキシアパタイト結晶表面とペプチドのFMO相互作用解析 [Published online J. Comput. Chem. Jpn., 19, 1-7, by J-STAGE]

[Published online Journal of Computer Chemistry, Japan Vol.19, 1-7, by J-STAGE]
<Title:> カルサイト・ハイドロキシアパタイト結晶表面とペプチドのFMO相互作用解析
<Author(s):> 畑田 崚, 加藤 幸一郎, 奥脇 弘次, 福澤 薫, 望月 祐志
<Corresponding author E-Mill:> fullmoon(at)rikkyo.ac.jp
<Abstract:> カルサイトとその表面に特異的に吸着する DDGSDD モチーフの複合系,ハイドロキシアパタイトとESQES モチーフの複合系を対象に,フラグメント分子軌道法 (FMO 法) に基づく Pair Interaction Energy Decomposition Analysis (PIEDA) 解析を用いて,結晶-ペプチド間の相互作用エネルギーの成分解析を行った.さらに,PIEDA解析の結果や結晶-残基間の距離,残基の構造的特徴を特徴量として残基-結晶間の相互作用エネルギーの重回帰分析を行った.これらの結果を両複合系で比較したところ,カルサイト系では残基と近距離のフラグメントとの相互作用が,ハイドロキシアパタイト系では残基-結晶表面間の距離が,残基-結晶間相互作用において最も寄与が大きい特徴量であることが分かった.
<Keywords:> Biomineral, Fragment molecular orbital method, PIEDA analysis, Multiple regression
<URL:> https://www.jstage.jst.go.jp/article/jccj/19/1/19_2019-0030/_article/-char/ja/