イソシアナートのウレタン化反応過程におけるエネルギー,立体変化および置換基効果の分子シミュレーション [Published online in advanced , by J-STAGE]

[Advanced Published online Journal of Computer Chemistry, Japan, by J-STAGE]
<Title:> イソシアナートのウレタン化反応過程におけるエネルギー,立体変化および置換基効果の分子シミュレーション
<Author(s):> 染川 賢一, 満塩 勝, 上田 岳彦
<Corresponding author E-Mill:> somekw(at)voice.ocn.ne.jp
<Abstract:> ウレタン樹脂の製造と物性に関する基本的情報である,イソシアナートのウレタン化反応性と触媒作用,生成するカルバミン酸とそのエステルの脱炭酸と安定性 および副生物の挙動について,計算化学を用いて検 討した.その際各節に示す基本的な実験結果につき,反応過程のエネルギーと立体化学変化をMOPAC-PM6 法 でシミュレーションして解析した.置換フェニルイソシアナートとアルコールとのウレタン化反応性が,フロンティア軌道HOMOとLUMOのエネルギーを利 用する置換基分子のMullikenの電気陰性度値((IP + EA)/2),と大きい相関係数で表されること を示す.そのウレタン化反応は,1:2モル比の6員環錯体を経て,遷移状態の活性化エネルギー(Ea)は4 13 kcal mol-1 と検証された.メチルアミンとのウレア化は反応性が高いが,それは会合体を形成し易く,Ea が小さいためと判断された.遷移状態構造の結果からは,3分子間の水素結合とその役割が理解される.第3級アミンの触媒作用は,上記1:2 錯体中のプロトンの捕捉促進とNCOへの受け渡しで,Eaを低下させると解析された.イソシアナートと水の反応で生成するカルバミ ン酸の不安定で発泡の事実等に関しては,分解の素過程の Ea が11 kcal mol-1と低く,ア ミンと CO2 に分解すると検証された.
<Keywords:> Urethane, Isocyanate, Carbamic acid, PM6, Activation energy, Six-membered 12 complex
<URL:> https://www.jstage.jst.go.jp/article/jccj/advpub/0/advpub_2015-0073/_article/-char/ja/

新設されたMembrane Bioreactorにおける膜抵抗予測手法の開発 [Published online in advanced , by J-STAGE]

[Advanced Published online Journal of Computer Chemistry, Japan, by J-STAGE]
<Title:> 新設されたMembrane Bioreactorにおける膜抵抗予測手法の開発
<Author(s):> 小俣 真吾, 金子 弘昌, 船津 公人
<Corresponding author E-Mill:> funatsu(at)chemsys.t.u-tokyo.ac.jp
<Abstract:> Membrane bioreactor (MBR)とは微生物による汚濁物質の生分解と膜ろ過による固液分離を組み合わせた技術であり,省スペースで水処理を行えるという利点がある.しか し,MBRが抱える主要な問題の一つとしてファウリングがある.ファウリングとは膜が目詰まりする現象であり,膜の透過性能を低下させて運転コス トを増大させる.そのため膜を薬品によって定期的に洗浄する必要があるが,薬品による洗浄にはコストがかかるため頻繁に洗浄を行うのは望ましくな い.そこで適切な時期に洗浄を行うべくファウリングを予測するモデルの研究が行われている.既往の統計モデルによる予測手法では,MBRが新設直 後で測定データが存在しない場合や予測する期間の運転条件と過去の運転条件が類似していない場合は予測困難である.そこで本研究では,ファウリン グのメカニズムはあらゆるMBRにおいて共通だと考えられることに着目して,あるMBRにおけるファウリングを他のMBRでの測定データを用いた 統計モデルによって予測する手法を提案した.実際のMBRで測定されたデータを用いたケーススタディでは,新設直後のMBRでのファウリング予測 を行う際には,そのMBRでの測定データのみで構築されたモデルよりも,他のMBRでの測定データを合わせて構築したモデルの方が精度良く予測で きることが確認された (Figures 4, 5, Table 2).
<Keywords:> Membrane bioreactor, Membrane fouling, Prediction, Transmembrane pressure, Resistance, Soft sensor
<URL:> https://www.jstage.jst.go.jp/article/jccj/advpub/0/advpub_2016-0008/_article/-char/ja/