電子を描く(10) ― 元素の周期表を原子軌道で描く [Published online J. Comput. Chem. Jpn., 18, A14-A20, by J-STAGE]

[Published online Journal of Computer Chemistry, Japan Vol.18, A14-A20, by J-STAGE]
<Title:> 電子を描く(10) ― 元素の周期表を原子軌道で描く
<Author(s):> 時田 澄男, 時田 那珂子
<Corresponding author E-Mill:> tokita(at)apc.saitama-u.ac.jp
<Abstract:> 元素を特徴付ける原子軌道を電子雲的表示および等値曲面表示によって描き,周期表に配置した.元素の周期性は,列方向(族方向)に節面の数だけが異なる類似の軌道が規則的に並ぶことによって見事に表現できた.微妙に存在する規則性からの「ずれ」からも,元素の特性を見極めることが出来た.
<Keywords:> Keywords periodic table, element, many-electron atom, electronic configuration, atomic orbital, electron, visualization
<URL:> https://www.jstage.jst.go.jp/article/jccj/18/4/18_2019-0032/_article/-char/ja/

超高速クラスタ型並列計算機(京)を用いた汎用分子動力学プログラムLAMMPSの高速化 [Published online J. Comput. Chem. Jpn., 18, 169-175, by J-STAGE]

[Published online Journal of Computer Chemistry, Japan Vol.18, 169-175, by J-STAGE]
<Title:> 超高速クラスタ型並列計算機(京)を用いた汎用分子動力学プログラムLAMMPSの高速化
<Author(s):> 小久保 達信, 長岡 伸一, 寺前 裕之, 長嶋 雲兵
<Corresponding author E-Mill:> nagashima(at)j-focus.or.jp
<Abstract:> 分子動力学プログラムLAMMPSは,分散並列処理により高い効率で実装されており,スーパーコンピュータ「京」でも,大規模なノードを使ってもよくスケールし,高性能を発揮している.LAMMPSの さらなる高速化を目指し,Mod -FixLan機能で利用されている乱数ルーチンのSingle Instruction Multi Data (SIMD/ベクトル) 化及びOpenMPでのスレッド並列化によるさらなる高速化の実現を試みた.乱数生成は逐次処理のアルゴリズムが基本でありSIMD化及びOpenMPによる並列化の難しい部分の高速化を新たに実装した.特に乱数ルーチンの実装の改良によって,全体で46%程度の性能向上が観測された.まだまだ,LAMMPSには高速化の余地がある.
<Keywords:> Keywords molecular dynamics, Cluster type parallel super-computer, LAMMPS, random number, Single Instruction Multi Data (SIMD)
<URL:> https://www.jstage.jst.go.jp/article/jccj/18/4/18_2019-0008/_article/-char/ja/

原子欠損あるいはBoronやNitrogen原子置換を有するグラフェン並びにシリセンの電子構造 [Published online J. Comput. Chem. Jpn., 18, 176-186, by J-STAGE]

[Published online Journal of Computer Chemistry, Japan Vol.18, 176-186, by J-STAGE]
<Title:> 原子欠損あるいはBoronやNitrogen原子置換を有するグラフェン並びにシリセンの電子構造
<Author(s):> 佐藤 万紗子, 鈴木 郁哉, 神保 佳永子, 武田 京三郎
<Corresponding author E-Mill:> takeda(at)waseda.jp
<Abstract:> 第一原理クラスター計算により決定された局所構造変形を採り入れたグラフェンおよびシリセンにおける原子欠損並びに原子置換に伴う電子状態を強結合(Tight Binding; TB)バンド計算を用いて算出した. 置換原子としてはπ電子欠損を発生するBoron (B)およびπ電子余剰を発生するNitrogen (N),さらにはBとN対置換を含むπ電子補償系を考察し,それらのバンド構造を明らかにした.
<Keywords:>
<URL:> https://www.jstage.jst.go.jp/article/jccj/18/4/18_2019-0009/_article/-char/ja/

モデルの適用範囲の考慮したアンサンブル学習法の開発 [Published online J. Comput. Chem. Jpn., 18, 187-193, by J-STAGE]

[Published online Journal of Computer Chemistry, Japan Vol.18, 187-193, by J-STAGE]
<Title:> モデルの適用範囲の考慮したアンサンブル学習法の開発
<Author(s):> 佐藤 圭悟, 金子 弘昌
<Corresponding author E-Mill:> hkaneko(at)meiji.ac.jp
<Abstract:> 定量的構造活性相関や定量的構造物性相関では,それぞれ化合物の活性・物性 y と化学構造の特徴を数値した分子記述子 x との間の関係を定量的にモデル化する.回帰モデルの予測性能を向上させるため,アンサンブル学習では複数のサブモデルを構築し,サブモデルからの y の予測値を統合して最終的な y の予測値を計算する.各サブモデルの適用範囲 (applicability domain, AD) を考慮することで,AD 内のサブモデルのみ用いてアンサンブル学習における予測性能が向上することは確認されているが,x が異なるサブデータセット間で AD の比較はできず,新しいサンプルごとにサブモデルを選択したり重み付けしたりして y の値を予測することはできなかった.そこで本研究では AD の指標の 1 つである similarity-weighted root-mean-square distance (wRMSD) に着目し,wRMSD に基づいてサブモデルの重み付けを行う wRMSD-based AD considering ensemble learning (WEL) を開発した.wRMSD は y のスケールであるため x の異なるサブモデル間で AD の比較ができ,wRMSD に基づいて各サブモデルからの y の予測値に重み付けすることで,予測値の信頼性の高いサブモデルほど重みを大きくして予測することが可能となる.水溶解度・毒性・薬理活性それぞれが測定された 3 つの化合物データセットを用いた解析をしたところ,WEL を用いることで従来のアンサンブル学習法と比較して AD が広がり予測性能が向上することを確認した.WEL の Python コードは https://github.com/hkaneko1985/wel から利用可能である.
<Keywords:> Ensemble learning, Regression, Applicability domain, QSAR, QSPR
<URL:> https://www.jstage.jst.go.jp/article/jccj/18/4/18_2019-0010/_article/-char/ja/