MOPAC2016新ハミルトニアンによる水素結合,Diels-Alder 反応, イソシアネートのウレタン化反応,光異性化反応等 のシミュレーション解析と評価 [Published online J. Comput. Chem. Jpn., 17, 85-91, by J-STAGE]

[Published online Journal of Computer Chemistry, Japan Vol.17, 85-91, by J-STAGE]
<Title:> MOPAC2016新ハミルトニアンによる水素結合,Diels-Alder 反応, イソシアネートのウレタン化反応,光異性化反応等 のシミュレーション解析と評価
<Author(s):> 染川 賢一, 上田 岳彦
<Corresponding author E-Mill:> somekw(at)voice.ocn.ne.jp
<Abstract:> 最近のMOPAC2016ハミルトニアンPM7を用いて, 基礎的な化学結合, 水素結合(Hb), 立体選択的Diels-Alder (DA) 反応, 実用的なイソシアネートのウレタン化反応そして光異性化反応等のシミュレーション解析を行い, その構造とエネルギー情報につき、実験値および他の計算値と比較評価した. 上記一部につき前報[1]では PM6法で可成りの理解は得られたが, 問題点のあることも指摘した. PM7での解析では、分子内、分子間の結合 距離とエネルギーの小さい変化の評価で向上が見られ, 分散力算出等の改善の有効性が示唆された. 例えば上記 反応2例では、より大きい水素結合エネルギー(EHb)と分子間相互作用エネルギー(ELn)の算出で安定錯体 (B)の存在推定と, より実験値に近い活性化エネルギー(Ea)が見積られ, Figure 1等の反応プロセスと遷移状態(TS)の評価改善が推定され, またBなどの低温での解析実験法を提案した. 簡便で定量性の改善された MOPAC2016は教育や実験の現場等で積極的活用が期待される.
<Keywords:> MOPAC2016, PM7, B3LYP, MP2, Isocyanate, Urethane, Diels-Alder reaction, Photochromism, Activation energy, Molecular simulation, Hydrogen bond, Molecular interaction energy
<URL:> https://www.jstage.jst.go.jp/article/jccj/17/2/17_2017-0069/_article/-char/ja/

フラグメント分子軌道(FMO)法を用いた散逸粒子動力学シミュレーションのための有効相互作用パラメータ算出の自動化フレームワーク [Published online J. Comput. Chem. Jpn., 17, 102-109, by J-STAGE]

[Published online Journal of Computer Chemistry, Japan Vol.17, 102-109, by J-STAGE]
<Title:> フラグメント分子軌道(FMO)法を用いた散逸粒子動力学シミュレーションのための有効相互作用パラメータ算出の自動化フレームワーク
<Author(s):> 奥脇 弘次, 土居 英男, 望月 祐志
<Corresponding author E-Mill:> okuwaki(at)rikkyo.ac.jp
<Abstract:> 近年,用途に応じて目的の機能を有した材料開発の要求が高まっており,大規模な構造予測のためのシミュレーションが注目を浴びている.私達は,今回,散逸粒子動力学(DPD: Dissipative Particle Dynamics)シミュレーションを例に,有効相互作用パラメータ(χパラメータと呼ばれる) をフラグメント分子軌道(FMO)法から算定するためのフレームワークとワークフローシステムを開発した.FMO計算は非経験的であるため,高分子系素材に関わるほとんどの有機化合物に対して使うことが可能であり,χパラメータの算定に対して汎用性を持つと考えられる.この報告では,本システム(FCEWS: FMO-based Chi-parameter Evaluation Workflow System)の開発の目的,理論的な背景,ならびにソフトウェアについて解説する.
<Keywords:> Dissipative particle dynamics, DPD, fragment molecular orbital, FMO, chi-parameter
<URL:> https://www.jstage.jst.go.jp/article/jccj/17/2/17_2017-0048/_article/-char/ja/

ケクレ構造数え上げのアルゴリズムを用いたASC及びConjugated Circuitの計算プログラムの開発 [Published online J. Comput. Chem. Jpn., 17, 92-101, by J-STAGE]

[Published online Journal of Computer Chemistry, Japan Vol.17, 92-101, by J-STAGE]
<Title:> ケクレ構造数え上げのアルゴリズムを用いたASC及びConjugated Circuitの計算プログラムの開発
<Author(s):> 森川 , 野村 泰志, 溝口 則幸
<Corresponding author E-Mill:> dmorikawa(at)shinshu-u.ac.jp
<Abstract:> 成田らのケクレ構造の数え上げアルゴリズムを改良する事によって,各種共役分子のalgebraic structure count (ASC)を求める計算プログラムを開発した.さらに,この計算はケクレ構造の重ね合わせを利用する事から,全てのconjugated circuitの数え上げも可能となった.これによりASCとconjugated circuitを一度に求める事が可能となった.また,ASCを決定できない非交互共役系についても議論を行った.
<Keywords:> Algebraic structure count, Kekul structure, Conjugated circuit, Sachs graph, Resonance energy
<URL:> https://www.jstage.jst.go.jp/article/jccj/17/2/17_2017-0036/_article/-char/ja/

電子を描く(9) 原子軌道における波動性 [Published online J. Comput. Chem. Jpn., 17, A11-A14, by J-STAGE]

[Published online Journal of Computer Chemistry, Japan Vol.17, A11-A14, by J-STAGE]
<Title:> 電子を描く(9) 原子軌道における波動性
<Author(s):> 時田 澄男
<Corresponding author E-Mill:> tokita(at)apc.saitama-u.ac.jp
<Abstract:> 水素原子の波動方程式を解いて得られる原子軌道に波動性が観察できることを,力学的な定常波との対比で視覚的に示した.弦におこる1次元の定常波の特徴は,円形膜におこる2次元の定常波の断面に観察される.水素原子の原子軌道が3次元の波動であることは,その断面に2次元の波動の特徴が表れることから,確認することができた.
<Keywords:> electron, visualization, hydrogen atom, atomic orbital, wave function, Bessel function, circular membrane, standing wave
<URL:> https://www.jstage.jst.go.jp/article/jccj/17/2/17_2018-0002/_article/-char/ja/

SCCJ Cafe - Season 6 - フランス便り:フランス海洋開発研究所海洋計算情報センターより(1)「沿岸シミュレーションプログラムMARS並列化の背景」 [Published online J. Comput. Chem. Jpn., 17, A4-A10, by J-STAGE]

[Published online Journal of Computer Chemistry, Japan Vol.17, A4-A10, by J-STAGE]
<Title:> SCCJ Cafe - Season 6 - フランス便り:フランス海洋開発研究所海洋計算情報センターより(1)「沿岸シミュレーションプログラムMARS並列化の背景」
<Author(s):> 小鷹 ティナ恵利香
<Abstract:> MARS ( hydrodynamical Model for Applications at Regional Scale) [https://wwz.ifremer.fr/mars3d/, Lazure Pascal, Dumas Franck (2008). An external-internal mode coupling for a 3D hydrodynamical model for applications at regional scale (MARS). Advances In Water Resources, 31(2), 233-250. http://doi.org/10.1016/j.advwatres.2007.06.010] とはIFREMERによって開発されているFORTRANでかかれた沿岸シミュレーションプログラムである.IFREMERはフランスの海洋環境,資源の保持と開発に関する研究を行う独立行政法人であり,MARSは沿岸研究に必要とされる様々な要素をモデリングする手段として開発された.プログラムの中心部分は流体力学ダイナミクスであり,それに対して生物,地質,環境化学といった様々な沿岸モデルがカップルされている.モデリングに必要な計算量は増加の一途をたどるため,MARSを並列化して対応することとなった.本稿ではMARSの特色とどのようにMPIによる並列化がMARSに対して行われたかを述べる.
<Keywords:>
<URL:> https://www.jstage.jst.go.jp/article/jccj/17/2/17_2017-0047/_article/-char/ja/