[Advanced Published online Journal of Computer Chemistry, Japan, by J-STAGE]
<Title:> MOPAC2016新ハミルトニアンによる水素結合,Diels-Alder 反応, イソシアネートのウレタン化反応,光異性化反応等 のシミュレーション解析と評価
<Author(s):> 染川 賢一, 上田 岳彦
<Corresponding author E-Mill:> somekw(at)voice.ocn.ne.jp
<Abstract:> 最近のMOPAC2016ハミルトニアンPM7を用いて, 基礎的な化学結合, 水素結合(Hb), 立体選択的Diels-Alder (DA) 反応, 実用的なイソシアネートのウレタン化反応そして光異性化反応等のシミュレーション解析を行い, その構造とエネルギー情報につき、実験値および他の計算値と比較評価した. 上記一部につき前報[1]では PM6法で可成りの理解は得られたが, 問題点のあることも指摘した. PM7での解析では、分子内、分子間の結合 距離とエネルギーの小さい変化の評価で向上が見られ, 分散力算出等の改善の有効性が示唆された. 例えば上記 反応2例では、より大きい水素結合エネルギー(EHb)と分子間相互作用エネルギー(ELn)の算出で安定錯体 (B)の存在推定と, より実験値に近い活性化エネルギー(Ea)が見積られ, Figure 1等の反応プロセスと遷移状態(TS)の評価改善が推定され, またBなどの低温での解析実験法を提案した. 簡便で定量性の改善された MOPAC2016は教育や実験の現場等で積極的活用が期待される.
<Keywords:> MOPAC2016, PM7, B3LYP, MP2, Isocyanate, Urethane, Diels-Alder reaction, Photochromism, Activation energy, Molecular simulation, Hydrogen bond, Molecular interaction energy
<URL:> https://www.jstage.jst.go.jp/article/jccj/advpub/0/advpub_2017-0069/_article/-char/ja/