水素結合−π電子系相関型有機伝導体の開発とその水素/重水素同位体効果 [Published online J. Comput. Chem. Jpn., 15, 163-169, by J-STAGE]

[Published online Journal of Computer Chemistry, Japan Vol.15, 163-169, by J-STAGE]
<Title:> 水素結合−π電子系相関型有機伝導体の開発とその水素/重水素同位体効果
<Author(s):> 上田 顕, 森 初果
<Corresponding author E-Mill:> a-ueda(at)issp.u-tokyo.ac.jp
<Abstract:> プロトン(水素原子)と電子の相関現象は,生体系や各種の化学反応において重要な役割を担っている.その一方で,固体結晶中においてこのような相関現象は これまでほとんど見つかっていなかった.筆者らは,有機伝導体を舞台とした独自の物質開発研究を展開し,最近,水素結合中の水素原子ダイナミクス と有機π電子の連動・相関に起因する前例のない大変ユニークな動的現象・機能物性を発見した.本稿では,このπ電子系固体物質における新しい「量 子水素の科学」を物質開発ならびに水素/重水素同位体効果の観点から紹介したい.
<Keywords:> Organic conductors, Materials synthesis, Interplay between hydrogen bonds and π-electron system, Hydrogen/deuterium isotope effect, Phase transition
<URL:> https://www.jstage.jst.go.jp/article/jccj/15/5/15_2016-0015/_article/-char/ja/