金・銀・銅クラスターの安定構造,異性化反応経路,およびNO解離反応経路の探索とその電子物性 [Published online J. Comput. Chem. Jpn., 18, 64-69, by J-STAGE]

[Published online Journal of Computer Chemistry, Japan Vol.18, 64-69, by J-STAGE]
<Title:> 金・銀・銅クラスターの安定構造,異性化反応経路,およびNO解離反応経路の探索とその電子物性
<Author(s):> 近藤 有輔, 高原 里奈, 毛利 広野, 高木 牧人, 前田 理, 岩佐 豪, 武次 徹也
<Corresponding author E-Mill:> tiwasa(at)sci.hokudai.ac.jp
<Abstract:> 原子クラスターは自由度が高いために多くの構造異性体を持つ.通常の理論研究では,その最安定構造の探索と続く電子物性解析が主であったが,近年の理論化学的手法の発展により,安定構造間の異性化反応や,異性体を含めた触媒活性の研究が可能になってきた.本研究では,金,銀,銅のクラスターを対象として安定構造および異性化反応経路,およびNO解離の触媒反応経路の探索を行いその比較を行った.異性化反応の計算からは,金と銀に比べると銅は異性化反応の障壁が高く,これはバルクのモース硬度と同様の傾向を示していた.NO解離反応の触媒作用に関しては,金と銀は障壁が高い一方で,銅は障壁が低く,安価で豊富な元素による触媒の可能性があることが分かった.
<Keywords:> Keywords AFIR, metal cluster, isomerization, NO dissociation, cluster catalyst, Density functional theory
<URL:> https://www.jstage.jst.go.jp/article/jccj/18/1/18_2018-0044/_article/-char/ja/