[Published online Journal of Computer Chemistry, Japan Vol.18, 49-63, by J-STAGE]
<Title:> 担持金属触媒のための軌道 バンド間相互作用解析と埋め込みクラスターモデルの開発
<Author(s):> 松井 正冬, 榊 茂好
<Corresponding author E-Mill:> fuyu(at)esicb.kyoto-u.ac.jp
<Abstract:> 担体表面上に金属微粒子が高分散した担持金属触媒において,金属微粒子と担体表面との間の金属 表面相互作用は,金属微粒子を担体表面上に安定に分散担持するとともに,金属と表面間の電荷移動などの相互作用により電子状態を変化させ,触媒活性に重要な影響を及ぼす.このような金属微粒子と担体表面との界面における電子状態の関与する相互作用を,実験の測定のみから解明することは困難であり,その本質の理解・予測のためには理論計算による検討が有用である.しかし,従来のスラブモデルを用いた平面波DFT法には,軌道間相互作用に基づく解析手法が乏しい,また,高精度電子状態計算の実行がコスト的に困難,という問題がある.このような問題を解決するために我々は,「射影状態密度を用いた軌道 バンド間相互作用解析手法」と「周期的静電ポテンシャルへの埋め込みクラスターモデル」の開発を行ってきた.本総説では,これらの手法の概要を述べるとともに,Rh2/AlPO4,Rh2/Al2O3への適用例を紹介する.
<Keywords:> Supported metal catalyst, Metal-surface interaction, Interorbital band interaction, Embedded cluster model, Long-range electrostatic interaction
<URL:> https://www.jstage.jst.go.jp/article/jccj/18/1/18_2018-0045/_article/-char/ja/